作者 陽だまりベンチ
卓球台がある3階でエレベータのドアが開くと吉田夫妻が立っていた。
「私達は今練習終わったんだ、未だ冷房が利いているから涼しいよ」と親しげに声を掛けてきた。
蔭口を言った事を
後悔し謝りたいと思われ私達が来るのを待っていたらしい。
悲しみや辛さに敏感な人ほどボランティアに理解を示す反面,攻撃されると私の様に傷つきやすいボランティアがいる事を,知って貰えて良かったです。
これからはより楽しいサウンドテーブルテニス目指して協力して行きましょう。
練習が始まって暫くすると、「社会事業大の学生で赤堀と言います、見学しても良いですか」と二人の女性が卓球場に入って来た。
良かったらやってみませんかと富田さんが赤堀さんを誘い、ルールを説明しながらラリーを始めた。
「本当はアイマスク着けてやると良いかもね」
「アイマスクなら私が持っているよ」とポケットから取り出し差し出すと一瞬驚きの表情を見せた。
パラリンピックでメダルを手にした選手が喜ぶ姿を時々テレビで見て、これがオリンピックだったらと思うことがあります。その時きっと障害は個性だと思えるでしょう、しかし代わりに障害者さんを見る世間の眼が厳しくなるかも。
サッカーだって手の使用をルールで禁じている、眼の使用をルールで禁じているサウンドテーブルテニスが正式種目になる可能性だってあるかもしれない。そんな奇跡が起こったら誰がメダルを取るのかな、福原愛ちゃん、富田さん、それとも私だって、想像するだけで楽しいね。
今度アイマスク付けて練習して見ようっと。
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