作者 陽だまりベンチ
埼玉障害者交流センターへは1時間も早く着いてしまった。
体育館、室内プール、アスレチックジムと充実した館内は一般の利用者さんがいない為か広々して快適です。ロビーの窓から、陸上競技上の奇麗に刈り揃えた芝生を眺めながらソファーで待っていると。
シャワー室から出てきた二人連れの障害者さんが何やら話しながら隣のシートに座った、聞こえてきた会話は。「シャワー室にいたホームレスを睨みつけてやったら、俺はホームレスじゃないよと、ほざくんだよ,あんなやつ入れたら駄目だよな!」、と憤慨して
いた。
この施設を利用している強健な障害者さんは、もう神の子じゃないんだ、私の様な女々しいボランティアなんて必要ないのかも、これは素晴らしい事だと自分に言い聞かせ様とするが、何故か釈然としません。
開始定刻に会場受付で参加費を支払い席に着きます、渡されたルール勉強会資料に眼を通すと、テーブルの規格説明から、ボール、ラケット、に続き服装の
項で次の一文が引っかかりました、「半そでシャツ、ショートパンツはJTTAが公認したマークの付いたものでなければならない」。
私が趣味、スポーツを純粋に楽しもうとする時いつもこの手の壁にぶち当たります、「STTよお前もか?」とテンションが下がります。
午後は実技でした。
サーブ、レシーブの練習後、ラリーの打ち合いです。
私の相手のマキちゃんは最近始めたらしいので、打ちやすい様に正面にサーブした球を上手に打ち返してきた、それからは相手の動きに合わせて徐々に強打していったが一生懸命に食らいついてきた。
小学生の頃、初めて買って貰ったグローブで父親とのキャッチボール、私が速いボールを投げれば投げる程、剛球が私の胸めがけて返って来る、口数の少ない父親だったけど、まるで無言の会話している様なこのキャッチボールが好きでした。父親になって、子供とキャッチボールするのが夢でしたが、女の子だったので叶いませんでしたが、STTを始めてアイマスクをした相手とラリーをすると、いつも子供の頃のキャッチボールを想いだします。
この感触が忘れられずSTTを続けています。
0 件のコメント:
コメントを投稿